養育費といえば、子供がいる家庭すべてに関係がありますよね。離婚をした場合には、子供の親権とともに、養育費についても決めなければなりません。今回は、養育費の相場や算定方法、算定表などについてご紹介します。
養育費とは

養育費とは、未成年の子供を育てるために必要な費用のことです。基本的な費用としては衣食住に関する費用です。子供が小さいうちであればオムツやミルク代、学校に行くようになれば学費や教育に必要な用品代、習い事や塾などの費用を含めた子供の生活にかかる費用のことです。
『養育費の額の変更』
養育費の額は子供が成人するまでであれば、相手との合意の上いつでも変更可能となっています。一度決めた額でも、子供の成長によってさらなる費用が必要なこともあります。
養育費を増額したい場合は、まず相手と話し合いましょう。相手が話し合いに応じない場合や、話し合いがうまくいかなかった場合は家庭裁判所などで養育費増額調停を行うことができます。
ただし、相手に収入ない場合は請求することができません。養育費はお互いの収入状況に応じた費用分担ですので、収入が少ない場合や無職無収入の場合には請求することができません。
逆に支払う側の収入が減った場合や、受け取る側の収入が増加した場合には養育費の減額が可能となる場合があります。
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養育費の算定表
養育費は子供の人数(1人、2人、3人…)とお互いの収入によって異なります。養育費算定表とは、東京・大阪の裁判官が平成15年に作成したもので、養育費の相場を算定できる表のことです。つまり、養育費算定表は養育費の基準となっており、相場の早見表や換算表として使うことができます。
実際に養育費の金額は、夫婦の話し合いによって自由に決めることができます。これまでの子育て状況などから必要金額を算出して、それぞれの分担する割合を決めて決定するのが一般的です。計算式を公表しているサイトもあるので、気になる方は一度見てみてはいかがでしょうか。
ただし、離婚や養育費などの夫婦間でトラブルがあることもあり、家庭裁判所での離婚調停や離婚裁判になることもあります。そういった場合に、養育費を算定する際の参考資料として養育費算定表が使われます。また、婚姻費用の算定にも利用されます。
『養育費算定表の使い方』
養育費算定表は、どちらかの親が子供を引き取る場合に使用できます。
まず、子供の人数や年齢を元に養育費算定表の中から該当する表を選択します。次に夫婦の年収を表の義務者と権利者に当てはめます。
縦軸が義務者(養育費支払い義務のある側)の年収、横軸が権利者の年収(養育費受け取りの権利がある側)となります。
そして、縦と横の軸が交差したところに書いてある金額が、養育費の算定額となります。
収入は給与と自営に分かれており、表の軸が異なります。給与は総収入額(源泉徴収票の支払金額)で、自営の場合は確定申告所の課税される所得金額の、実際に支出が行われていない費用の合計になります。
『養育費新算定表』
現在使われている算定表では、金額が低いという声も多くあります。そこで、日本弁護士連盟会(日弁連)は新たな算定表を作成しました。これは、これまでの金額の1.5倍の養育費となっています。
『養育費算定表の金額例』
ここでは養育費算定表を元にした養育費の例を、いくつかご紹介します。
子供が1人(15〜19歳)、義務者の年収500万円、権利者の年収350万円の場合
新算定表では7万円、旧算定表では4万円となっています。
子供が1人(0〜5歳)、義務者の年収800万円、権利者の年収300万円の場合
新算定表では12万円、旧算定表では7万円となっています。
子供2人(6〜14歳+0〜5歳)、義務者の年収800万円、権利者の年収500万円の場合
新算定表では14万円、旧算定表では8万円となっています。
養育費っていつまで払うの?
養育費がもらえる(支払う)期間は、基本的に子供が成人するまでの期間とされています。養育費の支払いは毎月が原則ですので、支払いは子供が成人(20歳)になる誕生日がある月までです。ただし、近年では子供が大学に進学する率も増えてきていますので、大学卒業時までの延長することも多く、浪人や留年の扱い方も様々でスムーズに大学入学・卒業をする22歳になる年の3月と定める場合や、大学を卒業する年の3月と設定することもあります。
大学進学をせずに高校卒業後に就職するケースもありますので、そういった場合には高校卒業と同時に養育費支払いが終了する場合もあります。
基本的には養育費は20歳までとなっていますので、大学院に進学した場合に養育費を支払うケースは稀です。そういった場合には、実際に親と話し合いをした上で、両者が納得し学費の支援を受けるという形になることも多いです。
養育費を支払わないと罰則が科せられるわけではありませんが、遅延損害金が発生しますのでご注意ください。
『時効』
養育費の時効は、離婚時に取り組みをしている場合は基本的に5年です。ただし、債務承認や裁判上の請求など時効の中断になっている場合は別で、その他に養育費の取り決め形態によって時効期間が異なります。
離婚時などに養育費の取り決めが行われていない場合には、過去の分についての請求はほとんど認められません。
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