世の中には所得税、住民税、自動車税、消費税など様々な税金があります。皆さんも年間に多くの税金を支払っていると思います。しかし、できるだけ出費を抑えたいと思っている人がほとんどでしょう。税金での支出をお得にするにはしっかりとした知識が必要です。今回は税金の一つである贈与税についてご紹介します。
贈与税とは
贈与税とは、個人または法人から、個人または法人へと金銭(現金など)や土地、株式など財産を譲渡する際に、受け取った側が納付する税金となっています。受け取る側か贈与する側のどちらが法人の場合は所得税や法人税が必要になります。
贈与税は生前に財産を贈与するときに発生する税金で、故人から財産を引き継ぐための相続税と同じような存在です。贈与された方は申告書を作成し納税しなくてはいけません。
『時効』
贈与の申告忘れによる贈与税の時効は6年となっています。ただし、意図的に申告しなかったと認められた場合には1年追加で7年となります。
ただし、脱税行為が発覚した場合には、ペナルティや利息がつきます。毎年税務調査も行われており、7年経った後でも時効が成立することは非常に少なくなっていますので、しっかりと納税しましょう。
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贈与税の税率
贈与には特例贈与と一般贈与があります。特例贈与とは、祖父母や両親から子供や孫への贈与であり、一般贈与とは特例贈与以外の贈与となっています。贈与税の税率については、贈与税の税率は贈与額によって異なります。200万円以下が10%、200〜300万円以下が15%(控除額10万円)、300〜400万円以下が20%(控除額25万円)、400〜600万円以下が30%(控除額65万円)、600〜1000万円以下が40%(控除額125万円)、1000万円〜が50%(控除額225万円)となります。
ただし、特例贈与と一般贈与では特例贈与の方が、税率が優遇されています。詳しい税率については国税庁のホームページより早見表をご確認ください。
夫婦間での贈与税
結婚後20年が経過して、自分が住むための住居を購入するために夫から妻(妻から夫)へ贈与する場合は、基礎控除とは別に2000万円まで控除することができます。また、離婚時の財産分与について贈与税がかかることはありません。様々な事情を考慮した上でも贈与する額が多い場合や、贈与税や相続税を免れるための離婚であると判断された場合には贈与税が課せられます。
さらに詳しいことは贈与税の配偶者控除などについて国税庁のホームページでご確認ください。
『その他に贈与税が必要ない場合』
贈与する財産の内容や金額によっては、贈与税が発生しない場合もあります。
受贈者一人につき年間(1月1日〜12月31日)110万円以下の贈与であれば、贈与税はかかりません。この金額については基礎控除となります。ただし、毎年贈与し続けている場合は、多額贈与の意図がありとみなされ課税対象になる恐れがあります。
また、生活費や教育費を被扶養者が扶養者から受け取る場合は、贈与税はかかりません。
その他には冠婚葬祭や見舞い品などは、一般的な金額分の範囲内であれば贈与税はかかりません。
『非課税措置』
結婚や子育て、教育に関する贈与の場合は非課税措置が取られます。
祖父母や両親が子供や孫(20〜49歳)への一括贈与の場合は、結婚資金は300万円、子育ての資金は1000万円まで非課税となっています。
住宅の購入資金やリフォーム資金などの贈与については300〜3000万円(贈与時期が早いほど非課税額が増加)が非課税になります。
教育資金(学費、塾の費用、留学費)については1500万円までが非課税対象となります。また、障害者の方にも3000万円〜6000万円の非課税措置があります。
贈与税を計算するには
贈与税の計算方法は課税価格の計算と、贈与税の計算の2つの手順になります。まず、最初に1年間に受け取った財産の合計を出します。そこから基礎控除額の110万円を引き、その額に合った税率を掛け、規定の控除額を引きます。その計算結果が贈与税額となります。
例えば、1年間に1110万円(非課税対象なし)の贈与を受けたとします。まず、そこから基礎控除額である110万円を引き、1110万—110万円=1000万円となります。
1000万円の税率は40%なので、これを掛け1000万円×40%=400万円。そこから控除額である125万円を引き、400万円—125万円=275万円。
つまり、1110万円を1年間に贈与された場合には、1000万円が贈与税の対象となり、贈与税がいくらかというと275万円になります。
贈与額が上がれば上がるほど税率が上がり納税額が増えてしまします。非課税対象の資金用途がない場合には、相続税より贈与税の方が、税金は高くなります。なぜなら、相続税より贈与税の方が低ければ、税金を抑えるために多くの方が生前贈与をしてしまうからです。
いかがでしたでしょうか。贈与税について理解を深めていただけたのであれば幸いです。贈与税の税率はとても高く感じるかもしれませんが、非課税措置などを計画的に利用することで、相続税より税金をお得にすることができますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。国税庁のホームページで速算表を参考に、確かめてみてください。
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